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すべて真実

精神分析学

「それは最初に与えられるものをすでに支配している」 ――家系と病

Joseph-Hugues Fabisch『Oedipus at Colonus』 無意識は、私の記憶の中の空白によって記されたところの、あるいは嘘によって埋められたところの一章なのである。 すなわちそれは、検閲された章である。 ラカン / 竹内迪也「精神分析における言葉と言語活動の…

ボクはそれでもなお生きている

「ばかな人間を利口にすること以外なら、精神分析は何でもできる」 《La psychanalyse peut tout sauf rendre intelligent quelqu'un d'idiot.》 ラカン 転移は精神分析の場を成立させる現象であるとは言ったが、これは必ずしも正しいわけではない。精神病者…

eromenos

eromenos(愛される者)が、その手を延ばして「愛を返す」ことにより、erastes(愛する者)へと変わる崇高な瞬間がここにある。この瞬間は、愛の「奇跡」、「〈現実界〉からの答え」を表している。このことから、主体自身は「〈現実界からの答え〉」の状態に…

「私は私の知らないことを知っている者を愛するのです」

過去を語ることは可能なのだろうか。 フロイトは当初、病の起源的経験を患者自身(ここでは分析主体という語を意図的に避けることとする)が気がつき、それを語ることによって心的な症状は除去されると考えていた。かつて共に臨床の場に立ったブロイアーの発…

美について

ラカンはセミネール第13講で「美は欲望を宙づりにする」と言ったらしいが、これほど美の特性を率直に言い得た者はほかにいないのではないか。換言すれば、彼は十分に詩人ではないのということなのだが。 タブローに関してラカンは「眼に対する眼差しの勝利と…

わたしを苦しめる唯一のことは、わたしの愛をあなたに証明するのがどうしても不可能だということです

フロイトの言葉だ。 しかし、われわれ(みな)の言葉でもある。 恋人に本を贈った。バルトの『恋愛のディスクール』である。 夜に訪れる瞑想的な時間のなかで、彼女はこれを読んでいた。ぼくは、シュネーデルによるグールドを捲っていた。彼女は『ディスクー…