昨日、わが麗しき恋人が家に来た。昼を回って半刻ほどした頃に。
つい2時間前に、遊びに来ることになったのだ。
お昼時なので御飯をつくらせてもらった。
鶏肉と長葱を目一杯つかったお蕎麦。それからかつ丼。
蕎麦の薬味は生姜と山葵。飲み物には一保堂の麦茶、酒は菊水。
それから、祖母がもう何年前から漬けつづけている古梅酒。
ソーダで割って差し出したら、「グラスが洒落てる」と言われる。
梅は家の庭に咲いた実をつかっていた。
飯を済ませて、地元の大きな公苑にむかう。
側に中学校があるから、ジャージ姿の学生がちらほら見えた。
帰宅してからは夕方まで、お菓子を摘んだり茶を啜ったりして時を過ごした。
妹が帰宅すると挨拶して、彼女はわれわれに菓子をくれた。
もっとも、恋人は食べ残していた。厭なのではなく、忘れていたようだ。
彼女は僕に貸していた漫画数冊を手に帰って行った。
駅まで送って、その日はわかれた。