■ph■nisis

すべて真実

対位法との出会い

 

子供のとき(十二歳か十三歳だった)彼ははじめて対位法と出会った。バッハではなく、モーツァルトハ長調の〈フーガ〉K三九四である。

 

ミシェル・シュネーデル『グレン・グールド 孤独のアリア』

 


 ボクが最初に対位法に出会ったのは何時だろうな。まあグールドがやったような「出会い方」はしてないだろうが。年代順に並べるなら、ジョスカン・デ・プレのミサ曲と、ショスタコーヴィチのとある交響曲。最後にバッハの『フーガの技法』。

 

 


Josquin: Missa Pange lingua - Kyrie

 

 

 


Josquin: Missa Pange lingua - Gloria

 

 まあちょっとショスタコの曲に対する感動は、正直、完全に対位法に対するそれであるのかどうか怪しいんだけれど、8割ぐらいは対位法の発見だったと思う。

 ジョスカンはびっくりした。初端の出出しにも驚いたし、「Gloria」や「Credo」にもたいへん感銘を受けたよ。高校時代初頭のボクは。一時期、これしか聴いていなかったものだし。

年明けは思い切って買ってしまうかな。『フーガの技法』を。

たまさか飯つくるときに試しに流してたけど、緊張感が尋常じゃあないからやめたものだ。思考が定まらないひとに(これも試しに)聴かせたけど、やっぱり辛そうにしてたな。

 

 

 そういえば大学にも入って、マショーとかトゥルネー写本とかのミサ曲も知ったけど、あのあたりも個人的には凄烈な体験ではあった。これ以上は書かないけれど。