■ph■nisis

すべて真実

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

pas-toute.hateblo.jp

デリダ / ニーチェ, 真理と女と呼ばれるものをめぐり

https://pas-toute.hateblo.jp/entry/2021/01/28/173040

6番

On CD and Blu-ray: The Symphonies of Gustav Mahler with the Berliner Philharmoniker ベルリン・フィルがマーラーの交響曲のコレクションを発売するらしい。上に貼ったのはPR動画だが、冒頭から使われているのは『6番 悲劇的』である。 僕はこの曲が大好…

言葉の置き場⇨ pas-toute.hateblo.jp (内容は雑多。絵画、哲学、宗教、音楽、文学、広告、医学、演劇、et cetera et cetera………」

高利貸たる死

・高利貸たる死 Masolino da Panicale 『Tentazione di Adamo ed Eva 』(部分) 運命(いのち)が二重であったとしても、二つに分割されてきたとしても、目下、私は人生の支払期日に近づいています。断じて一種の借入金でしかなく、高利貸たる死に返却しな…

1月の終わりに

1月27日はわたしの生まれ日である。 同時にアマデウス・モーツァルトの誕生日でもあるため、くる年も何処かしらでこの音楽家を祝う言葉(メッセージ、催物、祭典…)を目にする。 そのことを知っている人は、よく、「なんだか納得した」という言葉をわたしに…

ブログの移動

カテゴリーを設けてるけど、テーマによってサイト自体変えようかな、なんて考え始めている。 同じ場所(ひとつのサイト)のなかでさまざまなテーマが議論されたり考えられたりしてる様相は良くも悪くも僕らしいな、とややシニカルな気持ちで考えてるんだが、…

キエフの外で

ショスタコーヴィチの11番について書いたから、鐘が印象的な音楽をいろいろ考え始めてしまった。 おそらくクラシック音楽で「鐘」といえばムソルグスキーの『展覧会の絵』「キエフの大門」だろう。まあラヴェル版になってしまうんだろうが、それでも鐘といえ…

ショスタコーヴィチの11番

メイソン・カリーの『天才たちの日課』の伝えるところによれば、サッカーが大好きなショスタコーヴィチはよく仲間内でサッカーを楽しんでいたらしい。しかし、しばしば試合中だろうとなんであろうと、急にその場から姿を消すことがあったらしい。友人たちの…

「すべて真実」について ーーあるいはブログについて

What would be your fancy dress costume of choice? A mask of myself on my face, so people would think I am not myself but someone pretending to be me. The Q&A Q&A Slavoj Žižek, professor and writer Q&A | Life and style | The Guardian 「すべ…

饂飩屋と一保堂

「私」 大女将さん、この茶はたいさう美味しいですね。私はお茶を滅多に知りませんが、これはきつと、さぞや銘店なのでせう。 「大女将」 えゝ、寺町通は一保堂の、茎煎茶でございます。 定本『兵の字日記』星霜書房. 一保堂の茶をはじめて飲んだのは、今は…

検査をうけた咄

年末から体調が悪く、不本意な年明けだった。ものを飲み込むにもその度につかえてしまう。それだけ咽頭が腫れてしまった。仰向けになれば喉仏のがわの、膨れあがった肉が沈んできて喉奥と接触する。体感したことのない厭な感触に寝るのも辛かった。喋れば音…

カンニングについて

わたしが人生で初めてカンニングをやったのは小学生の頃だったと思う。漢字のテストで、粟野の解答を盗んだ。なんの字であったか忘れたが、彼の解答を見たのは覚えている。中学では一度。転校して最初の試験だったはずだ。危うくバレかけて、というよりバレ…

バルトークのこと

ーーこの共同作業には何か根本的に音楽的な要素、衝動があると思う。ドゥルーズもきみもよく鼻歌をうたう人たちだ。音楽的配分なしには不可能なデュエット、オーケストラとしての共同作業。話を聞いているとふたりの作業が全然リニアに構築されていないこと…

好きな俳優はいますか

先日、個人的に好きな女性俳優のことを記事にした。 それを読んだ方から「好きな男性俳優はいますか」と問われた。いますよ。 鈴木亮平、長谷川博己は堅い俳優だと思う。 いつでも目を惹かれてしまうのは嶋田久作。 時代劇では中村吉右衛門と渡辺謙が格好い…

経量部について

五世紀のインドの代表的知性のひとりに仏教哲学者 ヴ ァスバンドゥ(Vasubandhu 世親)がいる。彼の初期の大著『阿毘達磨倶舎論』(アビダルマの庫 Abhidharmakśa : abbr.AK)全九章は説一切有(Sarvāstivādin)のなかで も保守的路線 をとるカシミール系ヴィ…

空のあおみ

空の色が脳にくるね。肉体の網膜で見てるのか脳内網膜で見てるのか、もう自分でもわからんよ。 布団かえたら寝心地がよくって寝坊をした。朝寝もした。惰眠をするなら抜けるような青空の日の朝がよい、と古井由吉も言っている。人が忙しなく働き学んでいる時…

疑問3点の訂正

自分が抱いていた疑問が先生へのご相談でいくつか氷解した。 くわえて、何点か自分の理解に誤りがあったことを知ったので、記する。 ――――――――――――――――――― ①推理は知覚の延長にあるか。 → 実際そのようである。推理は前提的に知覚を必要とする。 ②相について →…

いやあ

質問をもらった。好きな女性俳優はいますか、と。 誰かのファンというわけではないけれど、ああこの方はスバラシイオカダダ、と思う俳優はいるよ。何人かだけど。もっとも、真面目に好きなわけじゃないから、出演してる番組があってもわざわざ観ないし、調べ…

疑問3点 ディグナーガのおまけ

実は、認識論を齧りはじめたのはここ1週間程度のことである(念のために言うが、なにも誉められたような話じゃない)。したがって、付け焼き刃な知識も多く、読解もちゃんとできてるか不安な点が多い。しかし、めっちゃ面白いのは確かなのである。アビダルマ…

ディグナーガの認識② 推理について

前回のつづき。短いけれど ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ディグナーガによれば、知覚は感官をつうじた直接認識とされ、それは普遍相を由来とする認識と対立する。なぜなら普遍相に依拠した認識は、認識の経験の前提に言語を介する――概念化を必要と…

ディグナーガの認識① 知覚について

以下、インドCのメモ。仏教ネタは次回で最後にさせるつもり。 ーーーーーーーーーーーーーー 仏教論理学は大きく二種に大別することができる。それは認識論と討論術である。ディグナーガの主著『集量論』の構成も、この二者を混ぜ合わせたかたちでとられてい…

『中論』の目的

インドCの初回のレポート。一部改筆。 ――――――――――― 『中論』はどのような目的のもとに書かれたか.龍樹はつぎのように述べている. 問曰.何故造此論.答曰.有人言萬物從大自在天生.有言從韋紐天生.有言從和合 生.有言從時生.有言從世性生.有言從變生…

不飲酒戒について

お前は仏教学専攻なんだから仏教についてもう少し書きなさい、というお叱りを受けたので、ちょっとの間、仏教関連のことを連投することにする。今回はゼミ提出用レポート。 ―――――――――― 1.前提と目的 釈尊が不飲酒戒を制定した契機は『四分律』『十誦律巻』…

よっつとせ。夜は昼より楽しいな

原典がないから正確な表記がわからないのだが、岩田宏の詩だ。『最新かぞえうた』。「寝れば誰でも夢をみる」とつづく。諧謔的ながら、なかなか味わいぶかい。 楽譜を読んでいた。曲を聴きながら。かれこれ2時間ほど。 昨晩、留守中に届いた曲の楽譜だ。 3冊…

痛ましい愛について

我が麗しき恋人がジツニツマラナク、またクダラナイ悩みを抱いているようだ。あまり頓珍漢なことを考えてちゃあ、健康に良くないぜ。 ボクのタチなんだと思うよ。なにかヨセツケやすい。そしてこちら側ものりやすい。その対象に解剖学的な性の差異はないよう…

語る死す

あんまり大事なことを人は話すべきじゃあないよ。この場合、「大事なこと」とはトラウマである。 トラウマは心の深い瑕だ。深い瑕だけれど、それだけに自分にとって親密なものだ。優しさだって憶えるだろう。愛しささえ。 ラカンの最終期の思想は主体と症状…

補遺

前々回の記事の補遺。 昨晩、その日に買った『フロイト著作集』の「第6巻 自我論・不安本能論」を捲っていたんだが、こんな言葉を見つけた。 父親または両親の権威が自我の中に取り入れられ、そこで超自我の核となる。超自我は、父親の厳しさをそっくり受け…

やったあ

きのう、お馴染みの古本屋さんと契約して、月1で『フロイト著作集』を1冊ずつ購入してもらえる運びになった。嬉しみ。既にとあるシリーズ本を月1冊ずつ買う契約を結んでいたのだが、さらに請け負っていただいたかたちだ。 さっそく2冊を入手。このほか、ガエ…

「それは最初に与えられるものをすでに支配している」 ――家系と病

Joseph-Hugues Fabisch『Oedipus at Colonus』 無意識は、私の記憶の中の空白によって記されたところの、あるいは嘘によって埋められたところの一章なのである。 すなわちそれは、検閲された章である。 ラカン / 竹内迪也「精神分析における言葉と言語活動の…