aphanisis

すべて真実

2021-01-04から1日間の記事一覧

ゴーギャンの冬

これは告白なんだけど、オイラ、ゴーギャンは冬の方が好きなんだよね。 この画家にとって南国とは、皮肉っぽく言えば逃地、ユートピア、そしてオリエンタリズムだろう。その反面、冬の描写はそのままの意味で「風景画」であるのが良いのかも知れない。 『Wik…

eromenos

eromenos(愛される者)が、その手を延ばして「愛を返す」ことにより、erastes(愛する者)へと変わる崇高な瞬間がここにある。この瞬間は、愛の「奇跡」、「〈現実界〉からの答え」を表している。このことから、主体自身は「〈現実界からの答え〉」の状態に…

疑似宗教的モラリズム

擬似宗教的なモラリズムは、一種の麻痺――すべての「他者」に対して優しくありたいと願い、「他者」を傷つけることを恐れて積極的なことは何もできなくなるという、最近よくあるポリティカリー・コレクトな態度を招きよせるだけではないか。そのような脱―政治…

おい、おかしいでしょう

件の番組をみて怖さを憶えたってひとが近くにいた。真っ当だと思った。 そのひと曰く、主人公の夫婦ほど度重なる苦難の対処に協力してくれるような隣人に囲まれた人間など現実には殆どおらず(2人の出会い自体がそうなんだけど)、この点においてこの話はま…

「私は私の知らないことを知っている者を愛するのです」

過去を語ることは可能なのだろうか。 フロイトは当初、病の起源的経験を患者自身(ここでは分析主体という語を意図的に避けることとする)が気がつき、それを語ることによって心的な症状は除去されると考えていた。かつて共に臨床の場に立ったブロイアーの発…